「美味しくて安くて青春の甘酸っぱい味なんて、コンクリートジャングル東京には存在しないのさ。」
東京を知らない、東京を曲解したそんな嘯きに、我々は振り返る必要など無い。
そう、我々には、二郎を始祖として、駒澤大学近くの「かっぱ」や渋谷は円山町の名店「リトルショップ」のカレーなど、美味しくて安くてあなたの人生に強烈なインパクトを残す食品がある。むしろ、枚挙に暇がないほどに。
そんな強烈なインパクトを残す食品の一つを紹介せねばなるまい。
そう、空が四角く切り取られた、コンクリートジャングル東京のど真ん中、大手町に、ヤツはいる。
大手町は言わずと知れた日本のビジネスの中心地。歩いているだけで自分がニューヨークに紛れ込んだかのような錯覚に陥る。ニューヨークと東京が違うのは、そう、リトル小岩井があるかどうかだ。
リトル小岩井は、とにかくおなかが減った時には絶対に食べて戴く必要のあるパスタだ。いや、スパゲッティかもしれない。またはきしめんかもしれないし、うどんかもしれない。
要するに、太い。
二郎で慣れきった我々のたるんだお腹は、細っこいパスタを食べると「オゥ、オシャレ」と思ってしまうだろう。そんな細麺が、お昼、戦うサラリーマンのお腹を満たせるだろうか。いや、満たせない。
戦うサラリーマンに必要なのはあくまで、太くて分かりやすい味だ。
そんなニーズを完璧に満たしてくるのが、こちらのリトル小岩井。
ナポリタンは勿論のこと、ジャポネという醤油ベースのパスタも勿論ウマシだ。ウマシであって、なんしか歯ごたえがない。それがまた、皆さんを昭和の世界に誘う。
そしてナポリタンを頼んだ貴男貴女は、見たことがないくらいの粉チーズを大量に掛けて一気に「スパゲッティ」を飲み干して欲しい。ウマシ。そう思うだろう。そして、小学校の時、夏休みにカブトムシを捕れなくて泣いているあなたが起きると、枕元にそっと買ってきたヘラクレスが置いてあったような感傷に浸りながら、午後の業務に邁進していただきたい。
※皿うどんではない
席は狭くて「落ち着いてゆっくり」とは無縁の世界。だが、誇らしげに歴史と伝統を次代に受け継ごうとする、そんなビジネス街のオアシスがここにはある。
大盛りにして、昼からガツンといってやろう。
お持ち帰りに最適な、素敵サンドウィッチもまたウマシ。
そんな懐かしさにありがとう、★2つ。
【店情報】
東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル地下2階
→丸ノ内線の出口すぐ
電話 03-3201-2024
定休日 日曜日・祝日
営業時間 [平日]10:00 - 20:00 [土曜日]10:00 - 14:00